小型HEMSを集合住宅向けに再構築　事務所や倉庫、学校なども対応可能

戸田建設（東京都中央区）は9月14日、長瀬産業（大阪市西区）と村田製作所（京都府長岡京市）と共同で、家庭用エネルギーマネジメントシステム（EMS）を集合住宅向けに再構築し、同社が設計施工した宮城県牡鹿郡女川町の「町営女川住宅」へ導入したと発表した。

このEMSは、村田製作所と長瀬産業が共同開発したEMS「エネイース」を大規模施設向けに再構築したもの。従来のHEMS対応の小規模な構成を、複数のパワーコンディショナーやリチウムイオンバッテリーを組み合せたものに変更した。

エネイースを構成するパワーコンディショナー（上段）とリチウムイオンバッテリー

同住宅の規模は、1号棟が地上3階、2号棟が地上6階建て。鉄筋コンクリート造で、延床面積は1号棟が1,685.53平米、2号棟が4,602.05平米。そこに1号棟19戸、2号棟67戸の住戸が入る。入居開始は2017年7月。

東日本大震災での津波により、多くの被害を受けた女川町では、津波の影響を避けるため住宅の高台への移転が進んでいる。町営女川住宅でも、災害対策と環境配慮の一環として、自然エネルギーを効率的に制御し、利用できる設備が求められていた。

そのために今回、集合住宅向けに再構築したEMSを導入した。戸田建設の設計施工でこのEMSを導入したのは、町営女川住宅が初めての物件となる。

同社は、EMSが集合住宅だけでなく、生産施設にも対応できる幅広いエネルギー制御が可能であることから、今後は事務所や倉庫などや、同社が得意としている学校や病院での導入を検討していく予定。